人生100年の時代、ライフシフトでアラフィフの働き方はどう変わる?
こんにちは!ライフシフト研究家、井上野乃花です!
“野乃花”
ライフシフトとはロンドン・ビジネススクールのリンダ・グラットン教授の著書で、日本では2016年11月、東洋経済新聞社から刊行されました。人生100年時代の生き方、働き方を考察した本です。
累計30万部を突破し、なおも売れ続けており、「人生100年時代」というテーマはあらゆるメディアで取り上げられ、見たり聞いたりした方も多いと思います。
私はこの「ライフシフト」を時代の変化と向き合い、自分が何者かを知り、自分の心に従った自分らしい選択をすること、と定義しています。
100歳まで生きるのが当たり前の時代になれば、人々の働き方も変化していきます。
それは、これから社会に出ようというティーンエイジャーや20代の人に限ったことではありません
アラフィフの女性たちも、時代の変化に向き合い、働き方を見直す時期にきています。
教育ー仕事ー引退という3ステージの人生からマルチステージの人生へ!
今日は、人生100年時代のアラフィフの働き方についてお話ししていきます。
目次
マルチステージの人生における新しい働き方
人生100年時代の到来は、マルチステージの人生という新しい生き方、働き方をもたらします。
リンダ教授の著書「ライフシフト」では、教育ー仕事ー引退という3ステージの人生に代わり、マルチステージの人生が登場すると記されています。
マルチステージの人生では、これまであった教育、仕事、引退というステージはどうなるの?
玲子(キャリア女子)
マルチステージの人生においても、従来の教育、仕事、引退という3つのステージがなくなるわけではありません。そこに新しく3つのステージが加わります。
“野乃花”
新しい3つを加えると6つのステージがあることになるのよね。これからは3ステージではなく6ステージの人生になるということなの?
“恵里奈(起業女子)”
誰もが6つのステージ全部を経験するというわけではありません。必要なステージを選ぶことができ、組み合わせも、順番も人それぞれになるでしょう。
“野乃花”
新しい3つのステージというのはどんなステージなの?
友美(子離れ期の主婦)
というわけで、ちょうど質問が出ましたので、このあたりで、3つの新しいステージについて、詳しくみてみましょう。
マルチステージの人生に登場する3つの新しいステージ
マルチステージの人生には、これまであった教育、仕事、引退のステージに加えて、3つのステージが新たに登場します。
新しく加わるのは次の3つです。
- エクスプローラーのステージ
- インディペンデント・プロデューサーのステージ
- ポートフォリオ・ワーカーのステージ
では、それぞれのステージについて順番に詳しくみていきましょう。
エクスプローラー(探検者)のステージ
エクスプローラーとは、一言で言えば探検者。
もちろん、今までも、探検をこよなく愛し、生涯を通じて冒険の旅をし続けるような人はいました。
でも、それらの人は一部の例外であり、あくまでも少数派。普通の会社員がそんな冒険しようと思ったら、会社を辞めざるを得なかったり、キャリアに影響したものです。
しかし、時代は変わりつつあります。
長い人生を、自分の力で生きていくためには、経験を通して、自らの価値観を問い直し、自分のアイデンティティと役割をじっくりと考える時間が必要です。
探検者というとバックパックで海外を放浪するというイメージがすぐに思い浮かぶかもしれませんが、必ずしもバックパッカーを意味しているわけではありません。
日常の生活とルーティンから切り離してくれる新しい世界へ飛び込むこと、これがここでいうエクスプローラーのステージです。
これからの人生計画を見直そうと考えているアラフィフの女性にとって、今この時点でエクスプローラーのステージを選択するのは大きな意味があります。
“野乃花”
アラフィフの女性たちに今必要なのは自分の内面の捜索です。
どのような生き方、働き方が可能なのか、選択肢を理解し、自分に適したものを選ぶために欠かせないのがこのステージです。
インディペンデント・プロデューサー(独立生産者=自分の職を生み出す人)のステージ
一言で言えば、自分の職を生み出す人とでも言えば良いでしょうか?
ここでいうインディペンデント・プロデューサーとは、起業家とも、自営業とも微妙に違います。
永続的な企業を作り上げることが目的ではないからです。
組織に所属しない独立した立場で、生産活動に専念すること自体に意味があるのです。
生産活動を通じて学習するステージでもあります。
若い人にとっては、安心して失敗できるステージであり、様々な実験を試みるには最適です。
ある程度のキャリアを積んだ人にとっては、会社という組織のルールに縛られることなく、生産性のある活動を続けるステージとなるでしょう。
今後は、アラフィフからのインディペンデント・プロデューサーが増えていくと感じます。40代で独立、起業した恵里奈さんもそうですね。
“野乃花”
ライフスタイルを維持しながら、金銭的資産の維持をすることを考えると、インディペンデント・プロデューサーというステージは、アラフィフ女性にとって魅力的な選択肢のひとつとなるでしょう。
ポートフォリオ・ワーカー(異なる種類の活動を同時に行う人)のステージ
このステージが、他のステージと異なるところは、一種類の活動に専念するのではなく、異なる種類の活動を並行しておこなうところです。
ポートフォリオ・ワーカーのステージの例をあげるなら以下のようになるでしょう。
例1 大手ホテルでマネージャーだった女性(48歳)の場合
最近ハマっている趣味は山歩き。週末はもっぱら夫婦で山歩きやハイキングを楽しむ。
夏休みや春休みは、地域の子供会の活動である森の散策イベントのボランティア。
例2 妊娠を機にパティシエを引退した女性(43歳)の場合
アレルギーがあっても食べられるお菓子教室は人気を博している。
誕生日のスイーツのケータリングビジネスの準備も並行して行っている。
毎週金土は、施設に入っている父親の外出日で、父親の世話、介護の時間だ。
日曜日は女性のためのカメラ教室に通い始めた。
上記のように、複数の活動を並行して行うのがポートフォリオ・ワーカーです。
スキルと人的ネットワークというベースがある40代から60代の人には魅力的なステージです。
“野乃花”
- 所得獲得を目的とする活動
- 家族のためのおこなう活動
- 趣味をきわめるための活動
- 地域社会に貢献するための活動
このような異なる活動をバランスよく組み合わせ、自分だけのポートフォリオを描くことが可能になってきます。
自分の状況や、好みに合わせてステージを自由に組み合わせる
ここで紹介した新しい3つのステージをどのような順番でどのように組み合わせるのかは、それぞれの好みや、能力、おかれている環境次第で変わってくるでしょう。
これからは、決められたレールの上を歩くのではなく、自分の心の声に従って、自分の人生を自分で作り上げていくことが当たり前になってきます
“野乃花”
マルチステージの人生では、どのステージをどの順番で生きるか、個々の判断に任されています。
それは、今以上に、人々が自分の望む働き方ができるということです。
長寿社会でいかに生きていくか、不安に思う人も多いかもしれません。
でもこの変化をチャンスとすることも可能です。ポートフォリオ・ワーカーなどは、女性の場合、
身近なコミュニティや地域活動、PTAなどからも体験できます。
私の体験なのですが、子供のPTAを小学校、中学校やらずに逃げてきたのです。
でも子供が高校の時はどうしてもやらなくてはいかず、3年間広報委員、
おまけにそのうちの1年間は広報委員長までやることになりました。
最初は本当にイヤイヤだったんだけれど、思いがけない学びがありました。
仕事だと、ついつい、ひとりで何でもやってしまう傾向があったんだけれど、
そのやり方でPTAの仲間と最初はうまくいかず、ずいぶん悩んだことから
”皆で、一緒につくる”ということをPTAから学んだなぁ。
最近では町内会などの役員も率先して、手を上げたりしています。
野乃花
今後は、目的を持つことで、地域活動やPTAなどの関わり方へのイメージが変わってくるかもしれませんね。
あなたにも、きっとできます。
自分の才能を発揮し、感謝されながら働く、そんな充実した人生を送るための一歩を、一緒に踏み出してみませんか?